糖質制限という言葉からは、ダイエットを連想する人が多いですが、実はお口の中の健康にもいい影響を与えることができるというのは意外と知られていません。
糖質制限とはもともとは糖尿病の食事療法として考え出された方法で、食事中の糖質の量をコントロールすることを目的としています。

その糖質制限が、なぜお口の中の健康にまで効果を発揮するのかというのには、きちんとした理由があります。
お口の中の病気として、虫歯と歯周病があげられます。

さて、虫歯の原因は砂糖だと思っている人が多いですが、実はお口の中には口内常在菌といって常にたくさんの細菌がいます。
これらの細菌は虫歯や歯周病の原因となる悪い菌だけでなく、お口の健康を守るための良い菌も存在している状態です。

お口の中の環境に砂糖など甘いものが加わると、細菌は酸を出して歯を溶かし、これが虫歯となります。
糖質の中にも砂糖がふくまれているため、虫歯の原因となることが分かります。
さらに、歯を失う原因として知られる歯周病も、糖質によって引き起こされます。

今ではほとんどの人がかかっていると言われる虫歯と歯周病ですが、野生動物や狩猟採集生活を送っている先住民族には全くみられない病気です。
これは、体質という面ではなく、食生活の影響が大きいと言われています。
野生動物や先住民族は狩猟採集生活によって食料を得ています。
これが、農耕生活に入り、小麦や米などの穀物を作るようになると、虫歯と歯周病は一気に広がりました。
それほど、食生活が口に与える影響というのは強いのです。

糖質制限をすることで、虫歯と歯周病を改善できることが分かります。
毎日の生活の中で糖質を取らないというのは難しいことかもしれません。
しかし、糖質制限ではカロリーを制限することはありません。
糖質にだけ気を付ければ、おなか一杯食べることができ、空腹に悩まされることもありません。

毎日の食生活を変えるということは、習慣を変えるということです。
今まで、きちんと歯を磨いているのに虫歯になってしまったり、歯周病が悪化してしまう患者さんは磨き方ではなく食生活に問題があったのかもしれません。
食生活というのは毎日のことですから、自分が思っている以上に細菌への影響力があります。
お口の病気に悩んでいる人は、一度糖質制限を行ってみるのもいい方法です。
虫歯と歯周病という現代人の多くがかかっていて、歯を失う原因になっている病気が糖質制限によって改善できます。